X（旧ツイッター）のアイコンが著作権違反に？NGなケースとOK画像の選び方

1　X（旧Twitter）のアイコンが著作権法違反になる？

X（旧Twitter）のアイコンは、何でも自由に設定していいわけではありません。誤った画像を設置すると、著作権違反としてトラブルになる可能性もあります。

まずは、著作権について確認をしておきましょう。

1-1　著作権とは

著作権とは、その著作物を作り出した人に対してあたえられる権利です。

ある人が作り出したものを、許可も得ず勝手にインターネット上などで使われないように、法律で守られています。

著作権はそのものが作り出されたときから、自動的に作った人へあたえられるものです（無方式主義）。

そのため特許権（方式主義）のように、どこかに申請したり審査を受けたりする必要はありません。

もしも誰かがその著作物を使いたいと申し出た場合には、作り出した人はそれを拒否したり、逆に利用を認めたりできるのです。

著作物には以下のようなものがあります。

• アニメ
• イラスト
• 写真
• 漫画
• 小説
• 音楽
• 映画　など

著作権は、公表後や著作権者が死亡してから70年間保護されます。

1-2　著作権法違反をするとどうなる？

著作権は著作権法で定められており、著作権違反は、著作権を侵害した場合に適用されます。

著作物を、許可なく私的利用の範囲を超えて使用すると、著作権侵害にあたるのです。

誰かの著作権を侵害すると、以下のようなリスクを受ける可能性があります。

• 差止を請求される
• 損害賠償請求される
• 刑事罰を受ける

刑事罰としては、著作権者の告訴により罰則を受ける場合も（親告罪）。

• 著作権・出版権・著作隣接権の侵害：「10年以下の懲役」または「1000万円以下の罰金」もしくは両方（著作権法第119条1項）
• 法人による侵害（著作者人格権侵害、実演家人格権侵害を除く）：3億円以下の罰金

（参考：e-gov 法令検索「著作権法」）

著作権の制度は、創作者を守り、文化の発展を損なわないためにある権利です。

たとえ悪意はなくとも、うっかり違反をしないように、十分に気をつける必要があります。

1-3　SNSのアイコンも著作権違反になる？

X（旧Twitter）やインスタグラム、YouTubeなどのSNSには、アイコンを設置できます。

皆それぞれ自分好みのアイコンを設定していると思いますが、このアイコンも著作権違反となる可能性はあるのです。

SNSのアイコンは、インターネット上で多くの人の目に触れるものであり、私的利用の範囲を超えています。

「自分のアイコンだから、何を設定しても自由だ！」「アイコンは小さいから関係ないよね」などは通用しないため、著作物を無断で使用はできません。

人が描いたイラストやアニメ、また誰かが撮影した写真などを勝手にアイコンへ使ってしまうと、著作権違反になりかねないのです。

2　X（旧Twitter）のアイコンが著作権違反になるケース

ここからはX（旧Twitter）のアイコンが、著作権違反となる可能性があるケースをあげていきます。

2-1　推しや好きな芸能人の写真をTwitterのアイコンに使った

Xのアイコンに、自分が好きな芸能人の写真を使いたいと思う人もいるでしょう。

しかし芸能人など著名人の写真を勝手に利用すると、著作権違反となります。

いくら推しの相手に思い入れがあっても、自身のアイコンに使うことはできません。

さらに、写真を勝手に使用すると、肖像権の侵害にあたる可能性もあります。

肖像権に関しては、著名人でなくても該当します。友だちや知人の写真を勝手にアイコンに使用するのもやめましょう。

2-2　漫画やアニメの画像をTwitterのアイコンに使った

漫画やアニメの画像を、勝手にXのアイコンに使うと、著作権違反となります。

そのまま使用することはもちろんNGですが、もとの画像を多少加工すればいいのかも？ などと思うかもしれません。しかし、画像を改変して使用することも、著作権違反となります。許可なくアイコンへ使用するのはやめましょう。

2-3　ぬいぐるみやキャラクターグッズの写真をTwitterのアイコンに使った

ぬいぐるみやキャラクターグッズの写真を自分で撮影することは、即座に著作権違反とはなりません。

著作権は、そのものを作り出した人にあたえられる権利です。そのため写真は、写真を撮った人に著作権があります。

しかしその写真をXのアイコンに使うことは、著作権違反となる可能性が高いです。

また、ぬいぐるみやキャラクターグッズに関しては、写り込みにも気を配る必要があります。あえてそれを写したわけではないものの、画像にたまたま写り込んでしまっているものです。

どこまでが厳密にOKかNGかは、判断が難しいところ。もしも迷ったら「使わない」判断をするのがおすすめです。

3　著作権違反にならないツイッターのアイコン

ここからは著作権違反にならないための、ツイッターアイコンの選び方を紹介します。

3-1　自分で撮影した写真

自分で撮影した写真は、著作権が自分にあります。

そのためツイッターのアイコンへ設置しても、著作権違反にはなりません。

ただし、写すものには注意が必要です。

自分の顔や姿を写真に撮りアイコンへ設定することは何ら問題にはなりません。

しかし、そこへキャラクターが写り込んでいたり、また著作権侵害にあたるものを自分で撮影してアイコンにするのは著作権違反となります。

著作権があるものを「自分で撮影したから大丈夫」とは、いかないのです。そのあたりは注意をしましょう。

3-2　オリジナルのイラスト

自分で描いたオリジナルのイラストであれば、著作権違反になりません。

また自分が依頼をして、誰かに描いてもらったイラストもOKです。

ただし、そのイラストが有名なキャラクターや芸能人であった場合には、著作権侵害を問われる可能性も出てきます。そのため、イラストのモデルにも十分に注意をしましょう。

3-3　フリー画像を利用したアイコン

無料で使えるフリー画像サイトの画像を利用します。

インターネット上には、無料で使用ができるフリー画像サイトがあります。そちらから画像を選び、アイコンへ設置するのがおすすめです。

各画像サイトによって、規約が設けられており、加工が禁止されているなどありますので、しっかりと規約を確認してから利用しましょう。

公序良俗に反するものは禁止されていることが多いはずです。そして、フリー画像を販売等はできませんので注意しましょう。

4　SNSに載せてはいけない写真とは

インターネット上には、じつにさまざまな画像がアップされています。

うっかりと写真をアップしたことにより、大きなトラブルに発展することもあるので気をつけなければなりません。

アイコンに限らず、SNSに載せてはいけない写真を確認しておきましょう。

• インターネット上の画像を勝手にスクショしたりダウンロードした写真
• 許可のない個人が特定できる写真
• 他人や自身の個人情報などが写り込んでいる写真

みんながやっているから大丈夫、といった考えは捨てて、多少でもリスクのあることはやめておくのが妥当です。

5　X（旧Twitter）のロゴに関するガイドラインとは

ここでは、X（旧Twitter）のロゴに関するガイドラインを紹介します。

Twitterといえば、長らく青い鳥のロゴマークがおなじみでした。

しかし2023年7月に、TwitterからXへと変更されてから、ロゴも「X」へと変わりました。

おなじみの青い鳥のロゴには細かいガイドラインがありましたが、Xのロゴのガイドラインはまだ公開されていません（2023年11月現在）。

しかし今後は、ガイドラインが制定される可能性も十分ありますので、Xのロゴを使用する際には、Xの公式サイトをチェックしましょう。

6　著作権を侵害された際の対処法

ここまでは、自身が著作権違反にならないための解説でしたが、この章では、自身の著作物が著作権を侵害された場合の対処法を紹介します。

趣味で描いたイラストをSNSにアップしていたら、そのイラストが知らない人のアイコンに使われていた。

自分の写真が誰かのアイコンに使われていた。

これらは著作権違反にあたる可能性があります。

対処法としては、以下の方法が考えられるでしょう。

●     差止請求

●     損害賠償請求

●     不当利得返還請求

自身の著作権が侵害されることを、黙って見過ごすわけにはいきません。適切に対処をしましょう。

7　ツイッターアイコンの著作権でお困りなら弁護士へご相談を

ツイッターをはじめ、SNSのアイコンは、自分自身をアピールできる大切な存在となります。

そして手軽に設定できるのもうれしいポイントですが、そこには著作権への注意も必要です。

著作権法は親告罪なので、誰かから訴えられなければ罪にはなりません。逆に訴訟まで発展すれば、大きな代償を払う必要もあります。

このように、気軽に設定したアイコンがうっかり著作権違反になってしまったら、大きなトラブルへと発展する可能性もあるのです。

ツイッターアイコンの著作権でお困りなら、弁護士へご相談ください。