交通事故の示談交渉が長引く5つのケースと早く終わらせるための対処法

監修者ベストロイヤーズ法律事務所

弁護士 大隅愛友

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交通事故の示談交渉が長引く5つのケースと早く終わらせるための対処法

交通事故の被害者の方の中には、

「交通事故の示談交渉がなかなかすすまない」、「早く示談金はいったいいつもらえるの」

と不安を感じている方も少なくありません。

交通事故の示談交渉は通常1~3か月くらいはかかるものです。ですので、3か月くらいであれば、通常の範囲内なので、不安に感じる必要はありません。ただ、それ以上かかっているとなると、対処が必要なケースかもしれません。

交通事故という、人生でも滅多に起こらない経験で、示談交渉にはどれくらいかかるのか、どのようにすればうまくいくか、とういことを知っている人は多くないと思います。

交通事故にあうと、けがの治療や自動車の修理など、やらなければならない事が多いのに、示談交渉もうまく進まないとなると、さらにストレスや不安を多く感じますよね。この記事では交通事故の示談交渉が長引くケースや示談交渉を早く終わらせるためにすべきことを解説していきます。

不安に感じている方はぜひ参考にしてみてください。

1 交通事故の示談交渉が長引く5つのケース

交通事故の示談交渉が長引くケースは以下の5つが考えられます。一つ一つ解説していきます。

1-1 事故状況・過失割合に争いがある

過失割合とは、発生した交通事故に対する責任の割合のことです。過失割合が決まらないと、示談金の額も確定できないので、お互いの主張が食い違う場合は示談交渉が長引きます。

1-2 治療期間が長引いている

示談交渉はケガの治療がすべて終了してから始まります。交通事故の慰謝料は治療期間とケガの重症度、後遺障害認定の有無によって決まります。ですから治療中は金額が決まらないのです。

1-3 後遺障害等級認定に時間がかかる

治療期間を終えて、後遺障害が残った場合は「後遺障害等級申請」をしますが、申請をしてから結果が出るまで1か月~3か月程度かかります。結果に納得がいかず、異議申立をする場合はさらに同じ程度の期間がかかります。

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1-4 保険会社の示談金提示額が低く、応じられない

慰謝料の計算をする基準は「裁判基準」「任意保険基準」「自賠責基準」の3つあります。

裁判基準が一番高い基準になりますが、弁護士に依頼したり、裁判をすることによって、この基準での慰謝料を獲得することができます。

通常、任意保険会社は任意保険基準や自賠責基準をもとに慰謝料の提示をしてきますので、本来もらえる一番高い金額とはかけ離れています。

1-5 加害者が無保険で交渉がすすまない

自動車を保有しているドライバーはほとんどの方が任意保険に加入していますので、加害者の保険会社を相手に示談交渉をしていきます。

しかし、加害者が無保険の場合は、加害者と直接交渉をしないといけません。

任意保険に加入してない方は、経済的に余裕がない場合も多く、示談交渉にも消極的で、連絡がとれなくなっってしまうケースも多く、スムーズな示談交渉は期待できません。

2 交通事故の示談交渉は通常1か月~3か月

交通事故の示談交渉自体は特に争点がなければ1~3か月程度で成立します。ですので、3か月くらいは通常の範囲と言えますので、長引いているのではと気にする必要はないので安心してください。

もっとも、5~6か月経ってもまとまる気配がない場合は対処が必要になる可能性があります。

示談交渉が長引くケースでは、結局交渉ではまとまらず、裁判に発展する場合もあり、1年以上かかることもあり得ます。

3 交通事故の示談交渉が長引く場合の3つの対処法

示談交渉が長引いた場合の対処法は3つあります。

・過失割合が争いになる場合はドライブレコーダーや実況見分調書を用意する

・治療期間が長引いた場合は治療を継続することを優先する

・示談金の提示が低い場合や加害者が無保険の場合は弁護士に依頼する

では、一つ一つみていきましょう。

3-1 過失割合が争いになる場合はドライブレコーダーや実況見分調書を用意する

保険会社が提示した過失割合が適正かどうかについて、証拠をもとに確認しましょう。適正でないと判断できたら、その証拠をもとに適正な過失割合を主張していきます。

証拠として、事故の状況が確認できるドライブレコーダーの映像があります。

また、交通事故発生時に警察が作成した実況見分調書などの刑事記録も、事故状況を確認できます。

実況見分調書とは交通事故の際に警察が作成するもので、交通事故の状況が記載された書類になります。

実況見分調書の取得方法は以下の通りです。

事故の対応をした事故現場の管轄の警察署へ連絡し、①~③の確認をします。

②で確認した検察庁へ連絡し、閲覧・謄写の予約をとり、謄写(コピー)します。

3-2 治療期間が長引いた場合は治療を継続することを優先する

早く示談交渉をすすめたいからと、治療を打ち切ってしまうと、結局ケガが治らず、痛みが残ってしまったということにもなりかねません。治療は医師の指示に従って、治療終了まで続けるべきでしょう。

入通院慰謝料は治療期間に応じて支払われるので治療期間が長いほうが、慰謝料も増額されます。

また、治療が終了して、後遺障害が残った場合は、後遺障害等級認定の申請をしましょう。結果が出るまでさらに1~3か月ほどかかりますが、後遺障害認定されると、示談金が大幅に増額されます。

治療中は慰謝料は支払われませんが、それ以外の休業損害や通院交通費、治療費などは請求できますので、先に請求できるものから請求しておきましょう。

3-3 示談金の提示が低い場合や加害者が無保険の場合は弁護士に依頼する

保険会社は示談金を任意保険基準や自賠責基準などの低い金額を提示してきます。弁護士が交渉すると、裁判基準で請求しますので、裁判基準に近い金額で示談金を受け取ることができます。

相手が無保険の場合は、弁護士に依頼することで、難しい交渉を弁護士に任せることができますので、自分で示談交渉するよりも速やかにすすめることができます。

弁護士に依頼すると、弁護士費用がかかりますので、かえってマイナスになってしまうかもと不安に思うかもしれません。そこで、自身が加入している自動車保険に「弁護士特約」がついているか確認しましょう。

「弁護士特約」とは通常の自動車保険にオプションとしてつけるもので、保険会社が弁護士費用を支払ってくれるものになります。自宅の火災保険などについている場合もあり、それを使える場合もありますので、自身の加入している保険会社に確認してみましょう。

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4 本記事では、交通事故の示談交渉が長引くケースと、その対処法について解説させていただきました。

交通事故にあうと、多くのストレスや不安を感じ、早く終わらせたいと感じるものです。しかし、早く終わらせたいからといって、自分に不利な示談金の提示に応じてしまったり、治療を途中で終了させてしまっては、後に後悔することになるかもしれません。

長引く示談交渉のストレスや不安を軽減するためにも、弁護士に相談や依頼を検討することをご検討下さい。

示談交渉が長引いているかもしれないと不安を抱えている方、示談交渉を速やかに進めたいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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