【身内が孤独死】警察からの連絡後はどうすればいい?流れや費用を弁護士が解説!

監修者ベストロイヤーズ法律事務所

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【身内が孤独死】警察からの連絡後はどうすればいい?流れや費用について弁護士が解説!

孤独死」は高齢化や核家族化がすすんでいる近年では珍しくありません。

もしかしたら、身内が孤独死したことを警察からの連絡で知ることになるかもしれません。

警察から突然連絡がくると、突如さまざまな対応に追われ、焦ってしまう人も多いです。

本記事では、身内が孤独死して警察から連絡があったあとの流れについて、どのように対応をしていくか解説します。

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1 孤独死とは

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誰にも看取られることなく一人で亡くなってしまうことを「孤独死」といいます。

一人暮らしの年配の方はとくに多いです。

孤独死の原因として最も多いのは心筋梗塞などの「病死」で、持病を抱えた一人暮らしの高齢者が自宅で亡くなるケースなどがあげられます。

また、「自殺」も孤独死の原因として持病に次いで多いです。

故人が生前人付き合いなどあれば、3日以内などの早期発見もありえますが、発見が遅れる場合は半月以上、3か月以上といったケースもあります。

2 孤独死発見後の流れ

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孤独死が発見されてから、遺族に遺体の引き取りについて連絡が入るまでの流れについて順を追って解説します。

2-1 警察の現場検証

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孤独死が発見されると、現場には警察の捜査が入ります。

このとき、故人が所有していた貴重品なども警察が預かります。

警察の捜査で事件性がないことの確認を終えるまでは、遺族であっても現場に入れません。

病死や自殺以外に殺害などの事件性もあるため、死因を調査で明らかにします。

事件性がなかった場合、医師が立ち会いのもと検死が実施され、検視・検案を終えると死体検案書が発行されます。遺体の引き渡しまでの期間は、1週間~1か月程度が目安です。

2-2 遺族への連絡

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遺体は警察が預かり、役所などと連携して亡くなった方の身辺調査を行い、身寄りの方を探します。

その後は親、子、兄弟姉妹など法定相続人に該当する遺族に連絡を行います。

3 警察から遺体引き取りの連絡がきたあとの流れ

警察から連絡を受けたあとの流れについて、遺体の引き取りを行う前提で解説していきます。

遺体の引き取りを拒否するケースについては後述します。

3-1 警察署へ行く

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警察からの連絡を受けたあと、身元確認や遺体の引き取りのために警察署へ向かいます。

警察署では死亡の状況などについて説明を受けます。身元確認に応じられるように下記のものを持参しましょう。

  • 身分証明書
  • 印鑑
  • 宿泊セット(警察署が遠い場合)

遺体を引き取る際には、下記のような費用が発生します。

事件性がある場合を除いて、基本的には遺族が負担します。ただし、自治体によっては一部負担してくれるケースもあります(たとえば、東京23区であれば検死費用は自治体が負担するためかかりません。)

費用項目

相場費用

備考

検死費用

50,000円

検察官や検視官、医師によって「検視」と「検案」が行われる。検死について遺族は拒否できない。

行政解剖

80,000~120,000円

検視・検案を行ったうえで死因が特定できない場合、死因究明のための解剖が行われる。行政解剖は東京23区、大阪市、名古屋市、神戸市に限られ、遺族の承諾なしに実施できる(死体解剖保存法)。

※犯罪性がある場合は「司法解剖」となり、費用は国が負担する。

遺体保管料

2,000円 / 1泊

遺体が警察署で引き取られている間に発生する。身元および死因が判明すると、遺体は遺族に引き渡し可能。

死体検案書発行料

5,000~10,000円

自宅など病院以外で孤独死した場合、基本的には死亡診断書ではなく、死体検案書が警察署から発行される。「火葬許可証」の発行や戸籍・住民票の抹消に必要。

搬送量

12,000~15,000円(10kmまで)

10kmごとに2,000~5,000円程度の加算

  • 孤独死が発見された現場~警察署
  • 警察署~解剖場所
  • ~火葬場

などの移動費用が発生する。

3-2 死亡届の提出

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死亡届は、亡くなってから原則7日以内に地域を管轄する役所へ提出しなければならないため、死体検案書を受け取ったらすぐに手続きを行いましょう。

死体検案書の「死亡届」欄に必要事項を記入して提出します。なお、あわせて「火葬許可申請書」の提出も行いましょう。

【関連記事】死亡届出の書き方は?誰が書く?本籍がわからないときの対処法も解説

3-3 葬儀

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葬儀を行うかどうかを決めていきます。

遺体が腐敗していなければ、通常の死と同様に通夜や告別式を行うことも可能で、葬儀社の選定や段取りをします。

葬儀費用は20万円〜200万円が相場です。遺体が腐敗していた場合、衛生面の観点から直接火葬場へ送られる判断が多いです。

なお、孤独死の連絡は突然受けることが多く、よく調べたり、考えたりする時間がなく、手続きを進めてしまい、後日、葬儀トラブルが起きるケースもあるようですので、注意が必要です。

4 孤独死した身内の遺体の引き取りを拒否も可能

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金銭的負担が大きかったり、 孤独死した人との人間関係が悪かったりした場合は、遺体の引き取りを拒否したいこともあるでしょう。

警察官に拒否する旨を伝えることで、遺体を引き取らないことも可能です。

なお、遺骨を引き取った後に、他の親族などとトラブルになるケースもありますので、注意が必要です。

【関連記事】遺骨トラブルはどうやって防ぐの?祭祀財産の承継について弁護士が徹底解説!

引き取らなかった場合、遺体は自治体がその後の対応を行います。その際にかかった費用は相続人に支払い義務が生じます。

なお、 相続放棄をすれば支払い義務はありません。

孤独死は、発見が遅れたり、警察などの調査が入るため、死亡から相当時間がたってから連絡が来ることがあります。また、どのように対応しようか考えている間に時間が経過してしまうこともあります。

相続放棄は、期間制限があるので注意が必要です。

【関連記事】相続放棄の期間経過後は弁護士へ相談|特別な事情の上申書がポイント

5 孤独死現場の物件等への対応

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遺体引き取りの対応と並行して物件への対応も必要になります。

大家から原状回復を求められるケースもあるでしょう。物件対応についてのポイントは、「相続」です。

遺体を引き取るかどうかと相続をするかどうかは別で考える必要があります。

5-1 相続の検討

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まずは故人の遺産について相続するかどうかを検討しなければなりません。

預貯金や不動産などのプラスの財産と、故人が抱えていた借金などの負債(マイナスの財産)から相続するか相続放棄をするかを選択します。

孤独死の場合、遺産状況が不明なことも多いので、弁護士などの専門家に依頼をして手続きの代行を行ってもらうとスムーズにすすめることが可能です。

遺産調査の結果、マイナスがある場合は相続放棄を選択することで、負債への支払い義務はありません

ただし、故人の預貯金に手をつけたり、持ち物を勝手に処分したりするとあとから相続放棄ができなくなります。

これは「単純承認」と呼ばれ、相続放棄を選択肢に残しておきたい場合は注意が必要です。

なお、相続については下記の期限があるため、注意が必要です。

 

期限

相続税の申告

故人の死亡を知った翌日から10か月以内

相続放棄の申告

相続人であることを知ってから3か月以内

5-2 相続する場合

相続する場合は特殊清掃を手配して遺品整理を行い、物件の解約手続きなどをする流れとなります。順に解説していきます。

①特殊清掃

遺産を相続する場合は物件の原状回復のために特殊清掃を行います。

とくに遺体の腐敗がすすんでいるようなケースでは部屋が体液などで汚れていたり、死臭がしたりし、部屋に入ることも難しい状況です。

遺族にとって、そういった状況を目にするのは精神的負担も大きく、遺品整理も行えないため、特殊清掃を実施するのが一般的です。

必要に応じて、地域の業者を選定して依頼をしましょう。物件の広さにもよりますが、費用相場としては約40万円〜で、高くつく場合は100万円を超えるケースもあります。

また、家具やゴミの撤去を行う費用(残置物処理費)も別途発生する場合があり、相場は20万円〜100万円です。

【関連記事】特殊清掃のトラブル|防ぐために業者選びのコツを弁護士が詳しく解説

②遺品整理

故人の住居内の遺品を整理していきます。

賃貸住宅であれば、故人が所有していたものはすべて相続人が引き取らなければなりません。

汚れていたり、腐敗がすすんでいたりするものについては処分が必要で、不用品の回収を業者にお願いするなどの対応が必要になります。

特殊清掃の際に残置物処理費を支払って処理するケースが多いです。

【関連記事】遺品整理業者とのトラブルを避けよう!予防策からもめた場合の対処法まで解説

また、遺品整理のなかで遺言の有無については確認が必要です。

【関連記事】遺言書は家庭裁判所で検認が必要!正しい開封のしかたと手順について

③物件の清算

賃貸物件であれば料金の未納分を法定相続人が支払ったうえで、解約手続きを行います。このときに公共料金の解約も行いましょう。状況によっては、違約金が発生する場合もあります。ただし、賃貸契約で連帯保証人がいる場合、支払い義務が連帯保証人にあるため、契約内容を一度確認しておきましょう。所有物件であった場合は、不動産の相続手続きを行ったうえで売却等をして清算します。

5-3 相続放棄する場合

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相続放棄を選択する場合は手続きを行ったうえで、相続財産清算人(旧 相続財産管理人)の選任が必要です。

【関連記事】相続財産清算人(旧 相続財産管理人)の選任にはいくら必要?費用の内訳や節約方法を解説!

なお、相続財産管理人の選任には予納金として20万円〜100万円程度かかる場合があり、費用面での負担は大きいです。

相続放棄をした場合の特殊清掃については、賃貸住宅管理者が清掃業者に依頼を行います。清掃にかかった費用は相続財産管理人が予納金から支払います。

5-4 その他各種手続き

これまでの手続き以外にも、故人が利用していたサービスの解約手続きが必要になります。とくに公的サービスは期限があるので気をつけてください。

【公的サービスの利用停止】

  • 年金の受給停止(期限:厚生年金は死後10日以内、国民年金は14日以内)
  • 健康保険の資格喪失(期限:14日以内)
  • 介護保険の資格喪失(期限:14日以内)

【民間サービスの利用解約】

  • クレジットカード
  • 電気・ガス・水道
  • 通信費
  • 衛星放送(NHK など)
  • 新聞配達 など

解約するまで月もしくは年単位で料金が発生します。

【保険】

  • 生命保険の受取

【その他】

  • 運転免許証の返還
  • パスポート失効

6 まとめ

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身内の孤独死について警察から連絡がくると、さまざまな手続きが必要で、費用も発生します。

突如相続人となると、相続放棄すべきかどうかの判断も迫られて焦ってしまうものです。

相続するか相続放棄をするかで支払う費用が大きく異なってくるため判断は慎重に行いましょう。困った際は、弁護士に相談することで、遺産の調査から相続について適切なアドバイスを受けることが可能です。

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