永代供養で起こりやすいトラブルは?対策方法を弁護士が徹底解説!
監修者ベストロイヤーズ法律事務所
弁護士 大隅愛友
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跡継ぎが不在など、今後お墓の管理を任せられる親族がおらず、祖先が無縁仏になることを避けるため、お寺や霊園に任せられる「永代供養」を検討する人が増えています。
しかし、永代供養には大きなお金が関わってきます。
よく検討しないまま永代供養を選ぶと、あとからトラブルになりかねません。
本記事では、相続に詳しい弁護士が、永代供養に関して起こりやすいトラブルや、対策方法について解説します。
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1 永代供養とは
永代供養とは、お墓の掃除や管理などをお寺の住職や施設の管理人がご家族の代わりに行うことを指すのが一般的です。
永代供養のメリットは、お墓の継承や管理について心配がいらなくなる点や、一般的なお墓をたてるよりも費用がおさえられる点でしょう。
永代供養にかかる費用は永代供養墓の種類によって異なりますが、数万円〜数百万円かかります。
永代供養墓には大きく下記の4つの型があります。
①墓石型 |
お墓に故人が1人で入ります。見た目は通常のお墓と同様です。後述しますが、あとから合祀されることもあります。費用は4種類のなかでもっとも高く、数十万円〜数百万円かかります。 |
②合祀型 |
不特定多数の人と同じお墓に入ります。費用相場は数万円〜10万円です。ただし、他人の遺骨と混ざってしまうため、二度と取り出せなくなります。 |
③納骨堂型 |
ロッカー式や仏壇式などがあり、骨壺を安置する屋内施設に遺骨を祀ります。一定期間経ったら合祀されることもあります。費用は1人数十万円になることが一般的です。 |
④樹木葬型 |
桜の木など樹木の周辺に遺骨を埋葬します。お墓をたてる必要がないので費用をおさえられます。 |
2 永代供養の注意点
永代供養はメリットばかりでなく、デメリットもあります。
注意点をよく理解していないまま契約してしまうとトラブルになることも。ここでは、永代供養についてとくに注意が必要な点を3つ紹介します。
2-1 「永代」は「永久」「永遠」ではない
「永代」という言葉は、「長い年月」という解釈をされており、未来永劫に渡って供養をお願いできるわけではありません。
場所によっては「〇回忌まで」などの期間を設けています。また、お寺の後継者がおらず廃寺になったり霊園が閉鎖したりすると、永代供養の継続は難しくなります。そのため、お願いするお寺や霊園が今後どれくらい存続できそうか、跡取りはいるのかなどが見極めるポイントです。
2-2 一定期間が経つと合祀される
合祀とは、同じ永代供養墓に納められた遺骨が同じ場所に埋葬されることです。
契約内容によっては、契約から一定期間が経った際に合祀が行われます。
もちろん、合祀がされないお寺や霊園もあります。ただ、一度合祀されてしまうと、他人の遺骨と見分けがつかなくなり、あとから1人の遺骨だけを取り出すことは不可能です。
そのため、合祀が行われると分骨や改葬はできません。合祀の有無は事前にしっかりと確認しておく必要があります。
2-3 お墓参りには制限がある
永代供養墓には他の多くの人が祀られているため、お墓参りにはさまざまな制限があります。
共用の参拝スペースを利用してお墓参りをするのが一般的です。
また、通常のお墓のように線香をたてたり花を生けたりできない場所もあります。そのため、お墓参りをした実感が得られにくく、親族からも理解してもらえないこともあります。
3 永代供養で起こりやすいトラブル
永代供養に関して起こりやすいトラブルを紹介します。
3-1 親族間でのトラブル
永代供養について家族や親族に相談しないまま話を進めてトラブルになっているケースがあります。
永代供養に対しての個人の考え方や価値観は異なるため、よく思わない人がでてきても自然なことでしょう。
とくに、合祀や分骨不可といった点で引っ掛かりをもつ人も多いです。
よくあるのは、親が急死してしまったケースで、金額面を見て費用がかからないからといって合祀型で契約をしてしまい、義理や世間体に重きを置く親族から心無い言葉を受けるなどの例です。
3-2 料金に関するトラブル
契約時に納得していた料金と、契約後に実際に発生した料金が異なるケースも少なくありません。
お寺や霊園によって管理の方法は異なるため、料金についても異なります。
とくに、供養の料金をおさえるために永代供養にした人が、あとから別途経費を請求されてトラブルになることがあります。
契約時に納める「永代供養料」とは別に、「管理費」や「維持費」、「護持会費」などの名目で定期的に支払があることも多いです。
契約時に今後発生する可能性のある経費をしっかり確認しておくことが大切です。
契約時によく確認をせず、年間数万円の管理費を支払うことになり、生活に支障がでてしまうこともあります。
3-3 墓じまいに関するトラブル
永代供養に切り替えようと、墓じまいを決意して手続きを進めるなかでトラブルが起きることもあります。
多いのは離檀料を巡るトラブルです。
離檀料とは、墓じまいをする際にお寺などにこれまでのお礼を含めて支払うお金のことです。金額については、それぞれのお寺が決めているため「予想よりも高かった!」といったこともあります。
納得できない場合は、お寺と話し合うことになるでしょう。
また、家族や親族と墓じまいについての意見が割れてしまい、トラブルに発展することもあります。
お墓の管理は相続とも関連するため、トラブルが激化した場合は相続に強い弁護士にアドバイスを受けるのがよいでしょう。
【関連記事】墓じまいで起こるトラブルと解決策とは?遺骨の取り出しや工事の注意点も紹介
4 永代供養のトラブル対策
永代供養を検討する際にできるトラブル対策の方法を2つ紹介します。
4-1 契約内容の確認
まずは契約内容をよく確認することが何よりも重要です。ポイントは下記です。
- 何年まで供養してもらえるのか。
- 合祀の有無。
- 遺骨と位牌のどちらなのか。それとも両方なのか。
- 遺骨は返還できるか。
とくに個別で安置してもらえる期間は確実に把握しましょう。内容をよく理解しないまま契約すると、トラブルのもとになります。永代供養の契約内容を確実に理解するためにも、しっかりと知識を学習しておきましょう。
4-2 家族・親族と話し合う
永代供養を検討する場合は、家族・親族と話し合いの機会を設けるようにしましょう。
永代供養に関しては個人の価値観が異なるため、誰かが納得していないまま話を進めてしまうとトラブルの原因になります。
5 弁護士に依頼するメリット
上述したように、永代供養には大きなお金や人の価値観が関わるためトラブルになりやすいです。
トラブルに困った際は、弁護士に依頼することでスムーズに解決が図れます。
なかでもよくあるのは、永代供養の解約の際に、契約時に納めた永代供養料の返還があるかどうかです。
契約書に「返金しない」と記載されていても、返金してもらえるケースもあるため、困った際はやはり弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。
6 まとめ
永代供養はお寺や霊園にお墓の管理を任せられる一方で、お寺や霊園と、もしくは親族間でトラブルになることも少なくありません。
もっともポイントとなる点は、いつか他の人と遺骨が混ざる「合祀」でしょう。
トラブルを防止するためには、知識をつけて契約内容をよく理解することや、家族・親族と話し合いの機会を設けることです。
永代供養に関するトラブルで困った際は、弁護士に相談してみることをおすすめします。
現在、永代供養のご相談は受付しておりません
ただいま鋭意準備中です。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
使途不明金や不動産の評価等の専門的な遺産調査や、交渉・裁判に力を入れて取り組んでいます。
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