優先道路の見分け方は?標識の種類や5つの見分け方を解説
監修者ベストロイヤーズ法律事務所
弁護士 大隅愛友
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車の運転中、信号機がない場所でほかの車と交差する際、どちらが優先道路かきちんと理解しておく必要があります。
優先道路を把握していないと思わぬ事故につながり、場合によっては減点、罰則を受ける可能性があります。
本記事では、優先道路の見分け方を解説するとともに、優先道路で事故を起こした場合の過失や罰則、さらに信号機がない場所での運転の注意点を紹介します。
すでに運転免許を持っていても、あらためて優先道路のルールを確認しておきましょう。
1 優先道路とは?
優先道路とは、信号機がない交差点で優先されるべき道路のことをいいます。
二つの道路が交差する場所では、優先道路を走っている車両を優先しなければなりません。
反対に、優先道路ではない道路を走っている場合は、道路が交差する場所の前で一時停止をし、優先道路から車両が走ってこないか確認する必要があります。
また、双方の道路から車が走ってくる場合、優先道路を走っている車が通り過ぎるのを待つ必要があります。
ただし、優先道路を走っている場合でも、交差する場所では徐行をしなければなりません。対向車だけでなく歩行者や自転車などとの衝突事故を避けるためです。
優先道路は道路交通法の36条でも定められているれっきとしたルールで、違反すると罰則や減点の処罰を受けなければなりません。
2 優先道路の5つの見分け方を解説
優先道路はどのように見分けるのか、5つのポイントから確認しましょう。
標識を確認する方法が一般的ですが、なかには見分けがつきにくい優先道路もあります。
車両を運転中に迷うことがないように、あらかじめ優先道路の見分け方を理解しておくことが大切です。
2-1 優先道路の標識
まずは優先道路の標識を確認しましょう。
優先道路の標識は、青ベースに白くて太い矢印のような形のマークがあります。
さらにその真ん中に白の細い線が横切っています。
この標識がある道路は優先順位が高いことを意味しているので、信号機がない交差点に入る際は徐行で進みましょう。
優先道路の標識がない場合、「一時停止」「徐行」の標識があれば見分けることが可能です。
「一時停止」の標識がある道路は優先順位が低い道路なので、交差点に入る前には一時停止をして安全確認を行いましょう。
「徐行」の場合は優先順位は高いですが、この場合でも歩行者などに注意しながら慎重に進みましょう。
2-2 前方優先道路の補助標識
「一時停止」や「徐行」の標識の下に、「前方優先道路」と記載されている補助標識が設置されているケースもあります。
この場合は数メートル先に優先道路があることを意味しているため、前もって慎重に運転を進めることが可能です。
標識だけでなく、道路もチェックしてみましょう。
道路に逆三角形のマークがある場合も、前方に優先道路があることを意味します。
運転中はさまざまな方向に意識を向ける必要がありますが、とくに細い道や信号が少ない道では事故が起こりやすくなるため、油断せずにしっかり標識やマークを確認しておくことが大切です。
2-3 交差点内のセンターライン
交差点内にセンターラインが引かれている道路は、優先道路です。
信号がない場所で道路が交差する場合、一方の道路にはセンターラインがあり、もう一方の道路にはセンターラインがありません。
自分が走っている道路にセンターラインがあるかどうかを必ず確認したうえで一時停止か徐行かを、適切に判断しましょう。
ただし、道路の途中までセンターラインが引かれていて、交差点までで止まっている場合もあります。この場合はセンターラインが交差点まで続いていないため優先順位が低い道路と考えることが可能です。
2-4 交差している道路の道幅
道路標識がなく、センターラインも引かれていない場合は、交差している道路の道幅を確認しましょう。
道幅が広いほうが優先道路、道幅が狭いほうが優先順位の低い道路と判断することが可能です。
一目見て道路の道幅が明らかに違う場合は、自分が走っている道路の広さによって別の道路を優先すべきかどうか判断しましょう。
2-5 優先道路の見分けがつかないときは左側を優先する
優先道路の標識がなく、センターラインもなく、さらに道幅が広いか狭いか判断しにくい場合は、左側を優先することがルールで定められています。
左側から来た車両を優先する必要があるため、自分が今どちらを走っているのかをよく確認しましょう。
たとえば、交差点の左側から車両が来た場合は相手を優先する必要があります。
反対に、右側から車が来た場合は、自分の車両が優先されるため、徐行しつつ慎重に進みましょう。
なお、交差点に進入する際は左右をしっかり確認することが大切です。
そのうえで、自分の右側から車が来ているのか、左側から車が来ているのかを確認し、適切な判断を下しましょう。
【関連記事】左方優先とは?交通ルールと優先道路を見分ける方法を徹底解説
3 優先道路で交通違反をした際の減点や罰則
優先道路を走っている車両の通行を邪魔した場合は、優先道路通行妨害等の対象として減点、反則金の対象になります。
違反点数は2点で、反則金は車両のタイプによって異なります。
原付なら5,000円、二輪車は6,000円、普通車は7,000円、大型車両は9,000円です。
4 優先道路で事故を起こした際の過失
優先道路で衝突事故を起こすと、その車両が優先道路を走っていたかどうか、どのような運転をしていたかによって過失割合が変わります。
明らかに優先道路を走っていたのにぶつかられた場合の過失割合は、優先道路車両10%に対して非優先道路車両90%です。
ですが、優先道路の判断が難しい場合の過失割合は優先左側車両40%に対して非優先右側車両は60%です。
優先道路を走っていて、徐行や一時停止をしていたとしても、標識がない、道幅の判断がつきにくいなどの理由で優先道路の見極めが難しい場合、自分も多くの過失を負わなければなりません。
また、優先道路を走っていたとしてもスピードを出していた、きちんと周辺を確認していなかったことが分かると、過失割合は高くなります。
任意の自動車保険に加入している場合、受け取れる保険金の金額も変わってくるので注意しましょう。
5 信号がない交差点での注意点3つ
信号がない交差点では、優先道路かそうでないかを判断することはもちろん、ほかにも注意しなければならない点が多数あります。
安全に運転し、自分だけでなく通行人にも危害を与えないために、注意点を確認しましょう。
5-1 優先道路でも徐行や一時停止は必要
自分が走っている道路が優先道路であっても、徐行や一時停止が必要です。
信号がない交差点では、ほかの道路から車だけでなく通行人や自転車が飛び出してくることも珍しくありません。
対向車が優先道路かどうかを判断せずに突っ込んでくることもあるため、徐行、および一時停止をしてしっかり周辺を確認しましょう。
万が一自分が優先道路を走っていて対向車にぶつかられた場合は、過失割合は相手のほうが高くなります。
しかし、見極めが難しい場合は自分も40%程度の過失を負わなければならないケースもあります。
さらに衝突事故を起こすと、最悪の場合自分や同乗者、相手を死亡させてしまう事態にも発展します。
最悪の事態を防ぐためにも、信号がない道路ではとくに細心の注意を払うようにしましょう。
5-2 対向車線の後続車に注意する
信号のない交差点に進入する際は、対向車線の後続車にも注意しましょう。
対向車線からの車両の次に通ろうと思っていても、後からバイクや小型車両などが走ってくるケースもあります。
とくにバイクや小型車両の後続車は交差点では見えにくく、気づかずに自分が進入してしまうこともあります。
先を走っている車両がバスやトラックなどの大型車の場合は後続車の確認が難しくなるため、一台が過ぎ去ってもすぐに発進せず、後続車も確認したうえでゆっくり進みましょう。
5-3 歩行者や自転車にも注意する
信号がない交差点に進入する際は、車両だけでなく歩行者や自転車にも注意が必要です。
とくに自分が右折しようとしたとき、その先に歩行者や自転車がいる可能性は十分にあります。
また、車両が一時停止しているため道を譲ってくれたと思ってきちんと確認せず通ろうとする歩行者や自転車もあります。
左折をする際は通行人や自転車は確認しやすいですが、右折の場合はとくに死角から歩行者や自転車が飛び出してくる可能性があることに注意しましょう。
慰謝料の増額、後遺障害認定のサポートを中心に、死亡事故から後遺障害、休業損害の請求に取り組んでいます。
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